「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」感想※ネタバレしてます
怪しい者から年賀状が届きました。キャサリンです。
2018年のお正月も恒例の映画鑑賞してまいりました。今回は「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」です!
賛否両論ですけど私は興味深く観ました。まぁ「湿気たおせんべいも好き」という女の言う事なので。
というわけで忘れないうちに感想書きます。例によってネタバレしちゃってますので注意注意。
総合感想
バランスが大事!何事もバランスが大切なんです。
バランスのとれた目次
オープニングで大満足なんです!
やっぱこれよね。オープニングのロール!からの宇宙!からのズーム!これだけで満足しました。
そして物体の間をすり抜けるシーンは映画館で見るのが一番いいと思うの。
スペース青春オペラなんです!
いや~、観ててこっぱずかしくなるくらい新キャストたちは全員、思春期で反抗期の真っただ中のようです。
思い込みが激しくて、頑として譲らなくて、それがさまざまな経験を経た老人たちでは打破できない状況を改善したり、悪化させたりする。そしてまだ見ぬ世界に希望と恐れを抱きつつ自分の前にいる者を追い越そうともがく。
特にカイロ・レンは重症ですね。ハン・ソロを殺してしまった事に動揺しているのも、父親と取っ組み合いのケンカになって、思いっきりやったら意外にも勝ってしまったけど、気まずい…みたいなのに似ていると思う。イライラしてエレベーターぶっ壊すし。マジ思春期。
レイも「フォースの覚醒」では自立したタフな女性という印象でしたが、今作では少女のような印象です。
理想を語り、盲目的に信じ、師の制止を聞かずに同じく孤独を抱える「仲間」カイロ・レンの元に駆けつける。そして彼を変えられると強く思っている。まぁ、その意志の強さが道を切り開く力にもなるんですけど。こういう純粋で強い光が瞳の中に宿るデイジー・リドリーもすごい。
この流れってルークやアナキンのサーガの踏襲ですよね。最終的な選択が違うだけで誰もが通る道ということで。
そして最高指導者スノークの策略によりレイとカイロ・レンは精神的につながり、互いに「孤独」という共通点を見いだし交流します。ですが、2人とも相手が自分の思い通りにならないと知ったら「ギエー!」ってなっちゃう。物語的にカイロ・レンがダークサイドだから、やっつけられても仕方ないものの、普通に意見の相違ってあるからね。毎回コテンパンにできないからね。
スノークが言うように2人とも、まだ「子ども」なのです。
ポーも大人かと思いきや英雄への幻想に取りつかれている。
こういう風に俯瞰して見ると「あ~若いなぁ」って思うんですけど、自分がそのただ中にいると分からないんですよね。うわー恥ずかし!ヘソムズムズダンス踊りそう。
フィンと元上官の対決も支配的な親との決別をイメージさせました。で、その時点でフィンはスッキリするんだけど、精神的にはまだまだ囚われていて復讐に取りつかれていると。そこでローズが彼にまた新しい選択肢を示す訳ですね。
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「ローズ」と「強さ」を語るんです!
ローズも賛否両論のキャラクターですが、私は一番人間くさくていいと思いました。
有名人にあこがれてはしゃいだり、突っ走って敵地に潜入したり、「どうみても『つり橋効果』じゃん」っていう状況で恋に落ちたり。
優れた容姿の持ち主でも無いし、経験豊富な戦士でもない。そこら辺にいる女の子で、ただのポッド整備士。全然特別じゃない。強いて言えば、ファースト・オーダーに故郷と家族を奪われた(でもこの世界ならさほど珍しくはないのでは。残念ながら)こと。これがこのキャラクターにとって重要な要素だと思います。
このローズの「愛する人を守りたい」っていうのが人間ぽいなって。ルークとかレイは仲間の皆、ダークサイドに虐げられている大勢の人たちを救うのが目標ですけど、ローズはフィン1人だけです。しかもこの「愛する人」は映画冒頭で亡くなってしまった「姉が賞賛した英雄」というフィルターを通しており、姉の代替にもなっています。だからフィンを失う事はますます出来ない。自分勝手ですけど人間らしいですよね。
また、当初は姉を失いあれほど悲しんでいたにも関わらず映画終盤ではフィンに過去への復讐に生きるよりも、これからの未来を大切にするよう説くローズ。この切り替えの速さ!時間的な制約もありますが、現実にも無きにしもあらず、です。ある意味精神的にもタフさも表しています。
レイの両親は普通の人間で酒代のためにレイを売ってしまうようなロクデナシにも関わらず、レイ自身はフォースに対して稀有な素質を持っている。そして「ザ・普通」のローズは特に力を持たない人間でありながら、たった1人を命がけで守るという強さを見せる。
何者でもない者が発揮する強さ。
スターウォーズは特別な「力」を持つスカイウォーカー一族を中心に描かれてきた訳ですが、ここで特別で無い人たちが形は違えど「力」を発揮する。特別な血筋ではなくとも強くなれる可能性を示す、ってとこでしょうか。世界の大部分は何者でもない人間な訳ですからね。そもそもダース・ベイダーもお母さんは普通の人だし。
人生バランスなんです!
ルークはレイにフォースとは万物に宿るものであり、ジェダイはそのバランスを見極めその力を借りる者だと教えます。
そして久しぶりのマスター・ヨーダもルークに、今まで彼自身が学んだ事をレイに伝えるように説きます。成功したことも失敗したことも。特に失敗は成功の良い先生だそうで。ヒトは誰しも失敗するもの。その失敗からなにを学んで活かしていくか。そのバランスが大事ってことでしょうか。
バランス崩しちゃったのがダース・ベイダーであり、崩れかけているのがカイロ・レンであり、真に良きジェダイとはバランスが取れたジェダイなんですね。昔の人も中庸が良いって言ってるしね。
そしてカイロ・レンの事で大失敗しちゃった!とずっと後悔し、静かに消えようとしていたルークは弟子に触発され、師の言葉に背を押され最後の戦いに挑みます。その服装は白と黒がくっきり分かれたローブ。
スターウォーズのセオリー通りならばダークサイドに近付くほど服の色が黒くなっていきます。かつてのルークもそうだし、レイも砂漠にいた時は白、ルークの元を訪れた時は既にグレーがかっており、カイロ・レンの元に駆けつけた時はさらに黒に近い色です。
このルークの白黒ローブは彼が良きも悪きも知り、バランスの取れた成熟したジェダイになったという象徴かしらと思いました。カイロ・レンを倒しに来たのではなくレジスタンス達が逃げる時間稼ぎに来たというのも、こだわりを捨ててその時のベストを選んだ結果ですよね。
あ、でもルークとカイロ・レンの対決シーンはCGが過ぎると思いました。
終りの始まりは、始まりの始まりなんです!
ジェダイの古の聖堂を燃やすことを躊躇したルークに聖典も「古くてカビ臭い本(ルークも一度も読んでない)」と一蹴するヨーダ。最期に全ての力を注いだルーク。多くの若い命が失われることに心を痛め、ポーを気絶させて脱出するレイア。ハイパーワープで捨て身の攻撃をしたホルド提督。全て次の世代のためなんですよね。そして先達が自分にしてくれたことでもあります。淡々と自分の役割をこなしている所がカッコいい。その姿を見て若い人達も学んでいく。
カビ臭い本は捨てて、伝説は物語にして、新しい歴史は若い人たちが作れば良いのです。
霊体になってカイロ・レンと対峙したルークも最後にやりきった感じで肉体を捨てましたね。こうやって世代交代していくんだなぁ。
中でも一番カッコいいのは、聖堂に火を点けられないルークの代わりに落雷で着火させたヨーダですね。
ヨーダが杖でルークの頭を叩く所もグッときた。
R2がルークがジェダイになるきっかけになった、オビ・ワンに助けを求めるレイア姫の立体映像を見せるのも良かったけど。
いろいろ考えさせられるのです!
てな感じでいろいろ考えちゃった。映像の凄さもちろんだし、私のような新参者もジェダイとは何たるやが何となく分かったし、単なる冒険譚で終わらないのが良いのではないかと。
前半でレイアが宇宙空間に放り出されて演じるキャリー・フィッシャーも亡くなったのでここで退場か!と思わせてフォースを使って生還したのにはビックリしました。フォース凄いよ!なんでもアリかよ!みたいな。でもよく考えたらレイア姫もダース・ベイダーの娘でルークの妹なので、コレくらいアリだなと思って納得した。
でも次回作どうするんだろう。ドキドキ。
ポー後援のフィンとローズの潜入作戦は結局まるごと無駄でした。映画だから「えぇ…」てなるんですけど、実際にも「やったけど実は全く余計な事だった」という事も往々にしてあるかと思うので、あっても良いんじゃないかしら。人生そう思い通りにはいかない。
スノークがあっけなく退場させられてるのはちょっと可哀そうだったよね。ヴォ○デモート卿とヴィジュアル被ってるし。
あとフランク・オズのヨーダ(霊体)見れたの嬉しかった。ヨーダ800歳!
という訳で May The Force Be With You !
キャサリン