キャサリンのブログ・やみなべ

TOKYOSABAKUの片隅に生息するみそじのアレコレ

実写映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」感想

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湿気でマスクの中が凄いことになってます。キャサリンです。なんかムシムシスル!

さて、行ってまいりました。実写版ゴースト・イン・ザ・シェル!

映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』公式サイト

サムネイルが上手く表示されなかったのっで、こっちも。

eiga.com

公開日が近くなり、流れるTVスポットを見るたびに胸に生まれるザワザワ感。

何だかこの映画、ヤバい気がする…そう囁いたのよ、私のゴーストがね!

95年版でおなじみの「謡」に謎のアレンジがかかって、ズンドコいってた時にはどうしようかと思ったわー。

攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL

攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL

さて映画は無事に胸のザワザワを取り除いてくれたのでしょうか!?

ちなみに観たのは字幕版。その上、私は95年版とSACをちょっと見ただけという…それは許して。

ネタバレもしていますので、ご注意を。

目次

総評

なんと!フツウです。…と書こうと思っていたのですが、しばらく経つと映像はもちろんのこと、込められたテーマも良いものだったなと思うようになりました。

なので、結構、良かった!です。

でも私の今の感想は95年版の方が好き。個人的には「良かったし、コレはコレでナシではないけど、なんか違和感がある」です。

これは観ている人の心境に左右されるのではないかと思います。

他を受け入れたいのか、己を受け入れたいのか。

そこで各々の評価は大きく変わるのでしょう。

多分、私の感想も年月が経てば変わるでしょう。

今回、胸のザワザワは微減に留まりました。でも何度か見たらハマるかもしれない。

そして私のゴーストはそんなにアテにならない…。

良かった所

実写になった名シーン

少佐の義体が作られるオープニング、ビルからのダイブ、光学迷彩をまとっての格闘戦、ダイビング、多脚戦車との戦闘。

あのシーンやこのシーンも、素晴らしいCGを使って実写化されています。

近未来のニューポートシティも猥雑な感じがしてワクワクしました。

特に光学迷彩を使用してゴーストハックされた男と戦闘するシーンは、格闘シーケンスが95年版とほぼ同じで感動!

でもダイビングシーンの光学迷彩の使い方は間違っている気がする。

だって、飛び込んでから光学迷彩をオフにしたら正体ばれちゃうじゃん。迷彩の意味ないじゃん!!

ちなみに光学迷彩スーツはCGじゃなくてシリコンスーツなんだって。「マトリックス リローデット」のパーセフォニーの衣装を思い出したわ。

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あと個人的には、スキューバダイビングシーンはやっぱり夕暮れが良かった。

素子はどこ行った問題

これはヨハンソンさんが主演て聞いた時と、名前が素子じゃないと発表された時、思ったよね。

「なんで外国人になっちゃったの?」

「モモイから、どうやってスカーレット・ヨハンソンが産まれるのさ…」

「少佐が素子じゃないってどういうことよー!?」(発狂)

そんな疑問に対する答えもちゃんとあります。というかストーリーの大切なキーです。上手いと思いました。

ヨハンソンさん演じる少佐には「ミラ・キリアン」という名前があり、あれ?と最初はなりました。

このミラが義体化した経緯と言うのが、両親と共に乗った難民ボートがテロリストによって沈められ、ただ一人助かったミラも重体のためハンカ社によって脳を義体(シェル)に移植されたというものでした(脳殻のシェルじゃないんだ…)。

だが事実はそうではなく、過剰なテクノロジーに反対する市民グループの1人として家を飛び出し、仲間たちと無法地帯で暮らしていた素子(その母がモモイさん)。

ある日、その無法地帯はハンカ社によって襲撃され、素子と仲間たちは完全義体化の実験体として連行されてしまいます。

そして大勢の仲間たちの犠牲の上に、初の完全義体化の成功例として、テロの被害者ミラ・キリアンとしてのニセの記憶を上書きされた素子。

それから公安9課のメンバーとして、ミラ・キリアン少佐として任務にあたっていたのです。

おのれ、ハンカ社め!!

少佐の融合相手

キリアン少佐は終盤、廃棄された実験体・プロジェクト2571もとい、素子の恋人クゼ・ヒデオからハンカ社への復讐のために融合を持ちかけられます。

これに対するキリアン少佐の答えは「No」。

「この世界で生きていく」とクゼに告げます。

そしてバトーに自分は草薙素子であり、ミラ・キリアンであり、「少佐」だと答えます。

ここが今までの攻殻と違うところです。

原作や95年版では素子は人形遣いと融合し、「ここには人形遣いと呼ばれたプログラムも、少佐と呼ばれた女もいないわ」という言葉通り、新しい形の生命としてネットワークの世界へ旅立っていきます。

この映画の中ではミラは苛酷な運命を辿った過去の自分・素子と融合し、少佐という存在として今の世界を生きる決意をします。

それまでの劇中でも、電脳化や義体化は進化の新しい形なのか?と疑問が何度も呈されます。

「ゴーストはあなただけのもの」、「大切なのは記憶ではなく、あなたが何をするか」というセリフも出てきます。

監督からの「どんな自分も受け入れて、自分として人生を精いっぱい生きて欲しい」というメッセージが込められているのかなと思いました。本人に聞いた訳じゃないけど。

私はプログラムでありながら、自然発生的にゴーストを持つようになった人形遣い(他)と融合して新しい生命体になるという点が好きなんですけど、この映画の「自分を受け入れる」という結末も前向きで、ハリウッドらしくて良いと思う。

What are you?

売春婦からミラに投げかけられるセリフ。これはティーザーの時からいいなと思っていました。

Who are you?ではなくWhat are you?というところが。

人としてではなく存在そのものの在り方を問われるという、短いですが攻殻機動隊のテーマを表した象徴的なセリフだと思います。

突っ込みたい所

ゴーストが囁かない

攻殻で大切な「ゴーストの囁き」。素子が「自分は人間である」という拠り所にしている大切なポイントです。

まぁそもそも、この映画では「自分が人間なのか機械なのか」という所に比重を置いていないので、関係ないんですけど。

聞きたかったよ…。

ヨハンソンさんの生身感

美貌の他にもナイスバディが売りのヨハンソンさん。今回はそれがアダとなった気がします。

何か重そうなんですよ。高性能の義体という感じがどうもしない。

顔は素敵なんですけど、シャーリーズ・セロンやミラ・ジョヴォビッチの様な、驚異的に人間離れしたスタイルの人の方が義体感が出たのではないかと個人的には思いました。

生身感も義体としては高品質、重そうなのも義体が重いからだ!と無理矢理自分に言いきかせる事も出来なくはない。

その割に清掃員の追跡時、着地しても地面が割れなかったのは解せぬ。あの表現好きなのに…。

収集員のゴーストハック

95年版では発信元を次々切り替えるために、人形遣いのゴーストハックによって記憶を改竄され、別居している妻(仮)をゴーストハックしているつもりだったごみ収集の人。

娘ラブなんだけど、その娘の存在も人形遣いによって改竄された偽の記憶だったという不幸な男。

ゴーストハッキングの恐ろしさと、記憶の大切さ、電脳化のリスクを視聴者に教えてくれました。

もちろん今回の映画にも出てきます。出てきます…が!彼の記憶を改竄する必要は全くなかったと思うの。

何故なら、総理の秘書にハッキングしないからです。だから偽の必要もないの。

記憶改竄の怖さと可能性は、キリアン少佐の記憶が書き換えられているということで伝えられる訳ですし、急にゴーストハッキングされて、ジュリエット・ビノシュ博士を襲撃するだけなら、その時のハッキングだけで事足りる気がします。

その上、尋問の最後に死んじゃうし。被疑者が簡単にセルフ昇天できる取調室もどうかと…。光学迷彩を纏った接近戦を描きたかったのなら、ツァン・ゲンファー(コーギ)で良かった気がする。

ただバトーが可愛がっている犬が、95年版のごみ収集員の愛犬にソックリだったのは良かった!

トグサの出番が少ない

トグサはほぼ生身の一般的な感覚を持った人間として、多様性の象徴として、とても大事な役割を持ったキャラクターだと思うのですが、この映画の中ではほとんど出番がございません。義体化するのに抵抗感を持つ同僚の1人って感じです。

吹き替え版は95年版のキャストを持ってくるのに、すごい勿体ない…。トグサ役のチン・ハンの声が、95年版の英語吹き替えのトグサの声に何となく似ていた気がする。

というわけで

最後はやっぱり適当な感想になってますね。ゴメン疲れた。

それから、キリアン少佐は人間らしく苦悩します。ARISEは未見なのですが、一緒に観たX氏曰くARISEのヤングな少佐っぽかったとのことなので、95年版やSACのクールな少佐を期待していると若干ガッカリします。

世界のキ○ノが日本語を話しているのは、電脳にg○○gle翻訳が搭載されているのだろうと自己完結しました。

もしかしたら吹き替え版の方が面白いのかも…と思い、今度見に行こうか検討中です。

ちなみに観に行った日は湿度が高くて館内も超蒸し暑く、図らずも香港気分が味わえたという謎のオマケつきでした。

95年版の感想は書きかけで止まっています。こっち先に完成しちゃったよ…。

キャサリン

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